2013年10月14日月曜日

パシフィックリム・塚口爆音激闘上映会(塚口サンサン劇場)

映画「パシフィック・リム」。
大ヒット絶賛上映中(一部)なのでご存じの方が殆どかと思うが、知らない方の為にざっくり説明すると、戦闘ロボットと怪獣(名もそのまんま「カイジュウ」)が戦うという単純極まりないストーリーに最新・最高のCGその他技術を総動員して肉付けしました、という映画である。

私は特撮好きでもロボット好きでもカイジュウ好きでもないが(というか今まで殆ど見たことも無かったが)、まんまとこの映画に嵌まった。
それほどのトーシロが斯様に嵌まったのは何故か。
もっともらしい理屈は幾らでも捏ねられそうだが、ええい面倒くさい、兎に角イェーガー
(戦闘ロボット)がかっこよくって戦闘シーンがかっこいいんだってんだい文句あっか
(喧嘩腰

あと、正義とは何か、戦う意味は何か、怪獣側にも一部の理があるのではないか、とかいうややこしい思想問題がカットされている(皆無という訳でもないが)というのも、何も考えずすんなり楽しめる一因であろう。
小難しいゴタクは要らん。
ただ本能的に、純粋に愉しみたいねん。
という、現代社会のストレスに疲れた人々(典型的紋切り型口上ごめんやしや)にはうってつけの「大人へのお伽噺」であろう。

とまれ。
現代社会のストレスに悩まされてはいないが何故かパシフィック・リム漬けになった私は、これまでに普通の3D上映を都合2回見ていたのであるが、その後IMAX 3Dでリバイバル上映が決定したことを知った。
更に更に、塚口サンサン劇場というところで、東京(立川、池袋)で開催され大好評を博したという「爆音上映会」が行われることも知った。
前者は12日から上映が開始され、後者は13日の17:30と20:00の2回開催されるのだという。
よしそんなら13日、このふたつをハシゴしようではないの。
こうやって私の「長い一日」計画はスタートしたのであった。

なんとかチケットをゲットし(特に塚口のチケットは狭き門であったらしい。私の取った第一回上映分はネット販売分が開始五分で売り切れたという)、次に考えるはコスプレの算段である。
いや別にコスプレは必須ではないのだが、折角のお祭りだ、ちょいと化けて(?)愉しみたいではないか。

熟慮の末(嘘ですが)、簡単にできてさほど目立たない(コスプレ的には自己矛盾ぽいがそこはほら、当方アラフォーですし)ニュート博士に扮することにした。
お分かりにならない方はリンクの画像検索をご覧ください。
といいたいところなのだが、検索ではあんまりいい画像が見当たらなかった。
この検索画面の中に散見されるメガネの男性がニュートです。ご参考までに。

用意したのは細ネクタイ(980円)とカッターシャツ(ユニクロ・1990円)、そして大きな黒縁の伊達眼鏡(980円)。
本当はタトゥースリーブ(タトゥー柄のアームカバー)も買おうとしていたのだが、楽天の手違いで当日に間に合わず、泣く泣くキャンセルした。
やはりタトゥーがなければニュート気分が半減だ。
画竜点睛を欠くが断腸の思い(言い過ぎ)で諦めた。

そんな訳で13日。
先ずはIMAXを見るべく箕面のキューズモール(いつの間にヴィソラから名前かわったん?)という郊外型複合商業施設に向かったのだが、同じ場所で箕面ビールが飲める「箕面オクトーバーフェスト」が開催されていたので、映画前にちょいとひっかけていくことにした。


いい天気でビールも美味そうだ。


我が母校のテントも並ぶ。
(因みにこのイヴェントの「主催」は箕面ビールさんではなく、母校の学生団体なのである)


先ずは季節限定というスモモサワーエールから。
甘酸っぱくて口当たり爽やか。
「ビールってぇ苦くて苦手なのぅ」とかほざく仰有る女子にぴったりである。


お次は定番ヴァイツェン、そして箕面ソーセージである。
ソーセージには箕面特産の柚子が練り込まれていて香りがよい。


さすればステージに彼が現れた。
箕面市ゆるキャラ、「滝の道ゆずるくん」である。
ゆるキャラ投票全国10位、関西圏1位の強者だ。

ひととおり吞んだ後はいよいよIMAX3Dのパシリム鑑賞へ。


ビール二杯吞んじゃったし、居眠りしたらどうしよう。
と危ぶんでいたが、どうしてどうして天下のパシリムを舐めておりましたすみません。
3度目にも拘わらず、最初から最後まで瞳孔見開きっぱなしであった。
やはりIMAXは普通の3Dに比べ段違いに画質が良く、何よりも「明るい」。
暗くて分かり辛かった海中での戦闘シーンもしっかりと確認できた。
そして、イェーガー3体(チェルノアルファ、クリムゾンタイフーン、ストライカーエウレカ)が勢揃いした香港シャッタードーム沖のシーンではそのヴィジュアルに息を吞んだ。
(このシーン、主人公イェーガー?のジプシーデンジャーがいないのがほんとに残念)

おなかいっぱい堪能して箕面を後に。
さあいよいよ塚口シャッタードームへ出陣だ。


劇場に辿り着くと、のっけからこんなポスターが出迎えてくれた。
昔の特撮映画ポスターちっくで素敵だ。


上映表もこの通りである。
イェーガーにカイジュウ、そして手書きっぽい「激闘爆音上映会」の文字。
否が応にも気分が高まる。


頼もうっ!
(因みにここ、特設の待合室(控え室?)でした)


中には各国のパシリムポスターが。
やっぱ中国Ver.はクリムゾンタイフーン押しなんですね。
ジプシーの小さいこと小さいこと。

コスプレイヤーさんの数は思ったより少なかった。
しかしその少数の方々はやはり皆さん気合いが入っていた。
マコちゃんにテンドー、イェーガーのかぶり物(紙製だったり帽子だったり。チェルノのかぶり物は実に可愛かった)等々。
私と同じくニュートコスの方もいらしたが、それこそ気合いの入れ方が違って、腕にも見事なタトゥー(ペイントかな?)を施してらして、タトゥースリーブを手に入れ損ねた私は密やかに臍を噛んだ。

しかし中でも一際目を惹いたのは、やはりこの方だった。


ほんまもんや!
ほんまもんがおるぞ!


手にしているタンカーには
「タンカーのようなもの(鈍器)」
とマジックで書いてあった。

この装備、自作かと思いきやなんとアマゾンで買えるのだという。
(とご本人(本イェーガー?)は仰有ってたが、Amazon.jpとAmazon.com見てもそれらしきものは検索できず。既に完売したのかしらん)


勿論劇場でも終始この格好でおられた。
(隣は2人のマコちゃん)
上映中たまに振り返ると、暗闇の中胸のタービンが怪しく赤く光っておりなかなか面白不気味であった。

そして、この方もまたイェーガーコスであった。


ってそれイェーガー違いや!
(訳分からん方は此方をお調べあれ)
とまれ、兎に角かっちょいいエレンさんであった。
ポーズとって頂きありがとうございました。感謝。

さていよいよ時間が近づいてきた。
手作りポップコーン(塩味、250円也)を片手にその時を待つ。


美味しかったですよ

まず登場なさったのは館長さん。



どこから見てもチェルノにしか見えない、完璧な扮装で大喝采を浴びられていた。
チェルノといえば頭部(ってあれ、頭ないのがウリなんだけど)がバケツ状であることで有名であり、チェルノコスするんならバケツ被ればいいよね、というネタが鉄板としてあるのだが、バケツはバケツでもプラスチックブルーのバケツの発想はなかった。
流石館長さん。

館長さんのご挨拶のあとは今回の企画の立役者氏が登場。
緊張してらしたのであろう、カミカミのスピーチが微笑ましかった。
最後に
「これだけは言わせてください!
『タイマーを止めろ!』」
と絶叫されておられたが、一斉に
「早いわ!」
とツッコミが入ったのは関西らしいというべきか。

さてさて、いよいよもって上映である。
冒頭のローリーの独白から
「杉田(智和氏。ローリーの声優さん)!」
というかけ声がかかり、気分はまるで歌舞伎鑑賞である
(違います)

今回の塚口シャッタードームでは、座席右半分をイェーガー応援席、左半分をカイジュウ応援席と位置づけそれぞれ出現や攻撃の際には声援を送る、という趣向が施されていた。
お互いいいぞーいけいけやれー!だの、やめろこら何すんねんだのといった応援激励罵声怒号が飛び交い、なかなかに白熱した観戦(既に鑑賞ではなく観戦であった)になっていたと思う。

以下ランダムに覚え書きをば。

・女性多い。兎に角多い。
全体の7割近くは女性で埋め尽くされていた。
確かに、私の限られた見聞でもパシリムのファンには意外と女性が多いように感じている。
少し前、どっかのバカが「パシリムは女子供には分かるめえ」的ツイートを流して叩かれていたようだが、彼がこの状況を如何に説明するのかご高説を伺ってみたいものだと思った。

(追記)
先程、Twitterのフォロワーさんが
「パシリムのストーリーはジェンダー的に非常にフラットである。男女間の縺れやらなんやらはなく、ひたすらかっこいいロボットと怪獣とのプロレスに終始している。それがきっと、男女問わずある一定の人の心に響いたのだろう」(意訳)
と仰有っておられ、成る程なあと思った。
偶々この作品は従前女性は好まないとされたロボットもの・特撮もののカテゴリであるから故に、(ある一定の)女性に受けているのが特異に見えるだけなのであろう。
かっこいいものをかっこいい!と思うのに男女の壁なんてないんだ、というご意見は、非常に説得的であったし納得がいった。

あと、前段にも書いたが、ジェンダー関連のみならず「思想」的なとつおいつや、人間関係のドラマなどといった謂わば枝葉がきれいさっぱり欠落しているというのもこの作品のヒットの一因であろう。
そんな枝葉で「考えさせる作品」として誤魔化すのではなく、ただただロボットに怪獣の戦いというテーマだけを描き、それだけで観客を魅了させる。
そのためにはやはり卓越した描写力(CG等)、そしてそれに見合った制作費が必要となる。
要はええもんには金がかかるんや、という身も蓋もない結論に達した次第である。
ちゃんちゃん。

・チャックのファンが予想以上に多い。
私も今回改めて見て(改めてって4回目だが)、ただの生意気なガキという認識から愛すべき可愛い生意気なクズガキという認識にシフトした。
(よけ悪いが)

・それよかマックス(ハンセン親子の飼っているブルドック)の人気が凄い。
マコちゃんがマックスをかいぐりかいぐりしてるところなど「可愛いー」「可愛いー」の連呼止まらず。

・N.Sato(多分、佐藤)氏のインパクト。
何故四回も見ていながら気づかなんだか。
ってか気づかんわ。

で、このお方は誰かというと、ペントコスト司令官にイェーガー計画の打ち切りを宣言する際、モニターにそれぞれ各国のお偉いが映し出されていたのだが、その中にいた日本代表のおじさんである。
地味な顔立ち、且つ無表情。
如何にも日本の官僚然としていたのがまたツボであった。

・スナック?「萌♥健太」のインパクト。
やっぱみんな気になってたんやね。私もだ。

・食堂でハークが「イモとってくれ」のところで「イモ!」の大合唱。
いや、私も叫んだ。イモ!っていうた。

・食堂でいちゃつくロシア夫妻エロかわいい。
しかしあれ結局死亡フラグなんか、と思うと悲しい。

・「核弾頭はロシア夫妻が調達した」とペントコストさんが宣ったとき、ちゃんと
「おそロシアー!」
と叫びました。やりました。

・ジプシードリフトテスト前、自室をノックされてっきりローリーだと思ったマコちゃんが満面の笑みでドアを開けたらペントコストさんだった、のシーンで
「私だ」
と叫んだけど音量不足だったのが悔やまれる。
精進します。

・香港の乱(名付けた)では阿鼻叫喚の嵐。
いてまえー、やてまえー、いてこませー(私だけかもしれませんが)
恰も甲子園の阪巨戦でのおっさんファンの如しであった(私だけかもしれませんが)

・「仲間を2人失ったが」でやはりひっかかる。
ここ、原語でも字幕でも小説版でも、そして吹替版でも「2人」なんだよな。
要はタン三兄弟は生きてるってこと?
ならば嬉しいんだけどなあ。
とまれチェルノとクリムゾンの退場は早すぎるぜ!
もっと勇姿を見せて欲しいんだぜ!

・最終決戦はカイジュウとの直接対決以外は静かに見守る。
クズチャックの「光栄でした」にじわり、マコちゃんの「愛してます」にじわり。
(でもマコちゃんのこのシーン、やっぱここだけ日本語に切り替わる字幕版の方がいいなあと思った次第。
同じ事はマコローリーの出会いのシーンの「イメージと違うー」にも言えるけど)

・そしてハークの「タイマーを止めろ!」では一気に怒濤の叫びが谺する。

・スタッフロール、そしてエンドロールの「ドリフト」以降の音楽中も手拍子止まず。
まるで、ではなくそのノリはコンサートそのものであった。

・スタッフロールとエンドロールの合間、ハンニバルが赤ちゃんカイジュウのお腹から現れたときには「おかえりー」と声が飛んでいた。

・最後は立役者氏が音頭を取り三三七拍子で華麗にエンド。

いやー、面白かった。
陳腐な感想だけど、他に言うべき言葉を知らない。
IMAXも3Dもそりゃ素晴らしいけど、四度の鑑賞で断トツに愉しめ感動したのはこの2Dの爆音上映会であった。
うすうす分かってはいたけども、この映画はやはりこうやって皆でわいわいがやがやと見るべきものなんだ、ということを改めて認識した次第である。

次の鑑賞、いや観戦は名古屋4DXだ。
体感型も確かに凄かろうが、それにこの観客一体型要素がプラスされれば最強の鑑賞体験となるだろうになと思う。

とまれ、実に楽しい時間を過ごすことが出来た。
塚口サンサン劇場の皆様、そして立役者の方、本当にありがとうございました。

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