2013年5月5日日曜日

憩酒屋 ひょうたんや/ビストロゴルデ

新梅田食堂街。
ご存じの方はご存じ(当たり前)、阪急梅田駅近くの一等地に位置するちょっと、いやかなりディープな雰囲気の飲食屋が並ぶ古色蒼然とした二階建ての建物である。
ここでの私の行きつけの立ち飲み屋が「ひょうたんや」。
兎に角メニューが豊富、しかもそのどれもこれも旨い、酒も種類たっぷり、そしてマスター氏が素敵(一見さんにはぶっきらぼうと映るかもしれぬが)、とくれば通わぬ理由がない。

今年に入ってすぐ、マスター氏に新店舗を開店する旨伺った。
場所はと言うと、なんと今をときめくグランフロントだというではないか。
それは絶対伺います、なんなら初日に、と息巻いていたが、不幸なことに(というと無礼千万だが)なんとこの日に職場の歓迎会が入ってしまったのであった。
一応歓迎を受ける方の新人であったが故にキャンセルする訳にもいかず参加したのだが、この歓迎会っていうのがまあなんというか私的に前代未聞というかありえない会合でありましてですね。
まあ聞いて下さいよ。
(ここより愚痴警報発令致します)
まず、乾杯の飲み物のオーダーが八割ウーロン茶(他ソフトドリンク)という飲み会に遭遇したのは生まれて初めてであった。
なんじゃこれ?と困惑していると「このメニューからなんでも好きなもの頼んで下さいねー」とにこやかに言われた。
そう。

飲 み 放 題 だ っ た ん で す こ の 状 況 で

誠に申し訳ないことながら、皆様何考えてんねんと思いましたすみません。

食事は、まあオオバコの飲み屋ならこんなもんやろ的ラインナップであった。
とかいいつつ、最初に出てきたサーモンの刺身の臭さに恐れをなした後は殆ど料理に手をつけなかったので味の方は定かではないのだが。
取り敢えず飲み放題の麦酒3杯ほど吞み、そこそこ歓談をしているうちにお開きとなったのだが、店を出たときウーロン茶組と思しき男性に
「お酒よく吞まれるんですね」
と言われ思わずPardon?と聞き返しかけた。
麦酒3杯で!
よく吞むって!
ああここでは私はとてもうまくやっていけそうにない。

絶句した私に彼はこういった。
「ところで、二次会は行かれますか?」
二次会!
二次会って!
このメンバーで二次会って、一体どこ行くの?
喫茶店??

取り敢えず、
「あ、あの、このあとちょっと知り合いのところに…」
と分かったような分からんような意味不明の言い訳?をしつつ速やかにその場を離脱した。
新人の癖に感じ悪いかも、いや絶対悪いな、と思わなくもなかったが、自分に嘘はつけない。
(と書くとかっこよさげだ。でもないか)
こんなことで落ちる評判なら今のうちに落としておいた方がなんぼかマシである。
何はさておき、旨い酒と旨い食事が恋しいんだ私は文句あっか。

と言うわけで、オープン初日のグランフロントに駆け込んだ。
時既に9時過ぎであったがビルは大賑わいだ。
向かうは北館6階のUMEKITA FLOOR。
ここにひょうたんやさんがある筈だ。



この写真では分かり難いが、奥が居酒屋「ひょうたんや」で手前がビストロ「ゴルデ」という一風変わった形態のお店である。
因みに「ゴルデgourde」とは仏語でひょうたんの意の由。


今回は「ゴルデ」の方にお邪魔した。
とはいえ、どちらに座っても両方のメニューを頂くことができる。
(以下、iphoneでの撮影ですので画像が粗いです。ご容赦下さい)


居酒屋メニューより鯨の煮込み。
鯨肉のクセを上手く活かした味付けであった。


ひょうたんや名物、牛肉の味噌漬け。
大好物故3回に2回はオーダーする。
和の酒にも洋の酒にもマッチするオールマイティーなつまみだ。


所謂前菜盛り、「ゴルデプレート」。
大は1200円、小は800円だ。
この立地でこのボリュームは吃驚するほどコスパが高いと言わざるを得ないだろう。
味の方は言わずもがな。
ラインナップは勿論、ドレッシングやソースの味付けも皆一工夫あり飽きさせられない。
肉食系としては肉が多い構成なのが嬉しかった。


牛ほほ肉の煮込み。
ぶっちゃけ、これを看板メニューにしている某店よりなんぼか旨いと思う。
確かに「分かり易い旨さ」なのだが、分かり易いだけではない+アルファを感じられる味であった。
敢えていうなら、バケットを軽く焼いてくれていたらもっと嬉しかったのだが…


「新しいメニューやねんけど食べるか?」
とマスターがサジェストしてくれたのがこれ。
「うどんリゾットのカルボナーラ風」である。
うどんでリゾット?
さらにカルボナーラ風?
と頭の上に?が何個も明滅するメニューなのだが、まあまたこれが美味しゅうございまして。
リゾ(米)を使うほんまもんのリゾットほど重くなく、まさに酒(ワインですな)のアテにこういうプリモ食べたいねん、という酒飲みのイタリアン欲を満足させてくれる一品である。

以上ご馳走にお酒をたっぷり遣り、そろそろ帰らねばと重い腰を上げたとき、マスターにオープン記念とのことで葡萄マスタード(!)と粒入りマスタードの瓶を頂いた。
後日ソーセージにつけて食べたが、ごく普通のソーセージが途端にご馳走に早変わりする程の逸品であった。

そして一週間後。
またまた訪れました。


前菜盛りは前回の方が量・質共に充実していた感あり。
でもこれも十分美味しかった。


うずらのロースト。
これで500円はなかなかの感動的価格である。
しねしねと柔らかく味わい深く、あっという間に骨と化した。


やっぱり頼む牛肉の味噌漬け。


本日のパスタはイカスミパスタ。
これがまた(以下略
正直色にしかインパクトないよねえ、という昨今見かけるお上品系イカスミパスタとは一線も二線も画した酒飲み御用達パスタである。
ソースが兎に角旨いのでバゲットを所望したのだが、これもやはり焼いて貰えなかったのが残念であった。
(スタッフさんもお忙しいのは百も承知なのだが…)


カウンターの上の瓶にこの魔法のソースが詰まっているのであった。

以上、私としては珍しく大絶賛したが、本当にそれだけ美味しいんです。美味しいんですってば。
まさかこんな超優良立地、そして流行の形態の店舗群に自分好みの居酒屋/ビストロができてしまうとは思いもよらぬことであった。
またそれで従前と比し味が変わっていない、というのも素晴らしい。
もし私のブログがスーパーメジャーであれば絶対教えたくないお店ではあるが、ご覧の通り?超弱小マイナーブログ故ここでこっそり?お知らせする次第である。
大阪に来られるお酒好き、且つ美味しいもの好きの方、ご一報頂ければご案内致しますぜ。

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