画像フォルダを見返してみると、あのお店に行ったのは去年の6月3日のことだった。
うっかり2年前のことと勘違いしていたのは何故だろう。
最近、とみに過去の記憶の時系列が曖昧になっている。
そこは「いかにも」なスタイリッシュなフレンチだった。
エントランスは絵に描いたようなモダンテイスト。
一歩店の中に足を踏み入れるとそこは昼なお暗く、まるでディナーにやってきたかのような錯覚を覚える。
大阪弁ではこういうお店のことを「しゅっとしている」と言い習わす。
東京の友人にどうしてもここに行きたいの、と我が儘を言ってやってきたものの、どうもこういう雰囲気は得手ではない。
サービスもそつはないがどこか冷たくつんと澄ました感じで、やっぱ東京のフレンチってどこもこんなもんなのかしら、とぼんやり思ったことを覚えている。
でも、お料理は期待通りだった。
とは雖も、1年近く経っているので記憶も曖昧になってしまっている。
また、店内が暗かったので兎に角写真が酷い。
色々ご寛恕あられたい。
雲丹のジュレとなにか…だったかな。
タラモサラダ。
供されたときには胸が高鳴った。
これ、一見地味だけど本当に美味しいのだ。
勿論先程の前菜の方が数倍目にも彩ではあるが、いいや、私はこれが食べたかったのだ。
バゲットにたっぷりつけて食べて幸せな気分になる。
魚介のポワレ。
記憶の中の貝柱が余りにふっかふかで余りに分厚かったので(恐らく色々と美化されてるのだろうが)一瞬ありゃ?と思ったが、これはこれで小ぶりながら十分味わい深かった。
アスパラソバージュの瑞々しさもしっかりと覚えている。
サーモンのポワレ。
フレンチでサーモンを選ぶということはまず無いのだが、何故か選んだ一皿。
サーモンのくせのある味わいとまったりソースが相俟ってずっしりどっしり、これこそが王道古典フレンチの魚メインだ!と主張するような料理であった。
そんじょそこらの女子ならばやーん、ちょっと重ーいとか宣いそうであるが、私はずっしりどっしりどんとこい寧ろ大歓迎てかそうでなきゃフレンチは物足りない派なので、やれ嬉しや旨い旨いとわしわしと平らげたことを思い出す。
勿論ソースはバゲットでかっさらえた。
かっさらえぬ訳がない。
同行女子の魚メイン。
うーん、なんだっけな。
メインは鴨のローストを選んだ。
これが、また、本当に美味しい鴨だった。
自分のボキャ貧を恨んでも恨みきれないが、でもそうとしか書けない程に兎に角兎に角美味しい鴨だった。
頬張れば頬張るほど「むふふ」と笑みが零れる味、とでも申しましょうか。
隅々まで肉汁たっぷりでしねしねと柔らかく、嚼むほどに旨味が口の中に広がっていく。
我が肉ヒエラルヒー(なんだそれ)の中でも鴨はかなりの上位に位置し、故に某大阪の有名鴨専門ビストロにも何度か足を運んでいる。
そこでも大抵満足して帰るのであるが、この日食べた鴨に敵うものには未だ出会えていない。
これまでの料理もどれもこれも素敵だったが、
ああやっぱり、美味しいお料理を出してくれはるな。
と再確認させてくれたのはこのメインであった。
同行女子のメイン。
牛肉の煮込み系、だったかな…
同行女子デザート。
ベリー系のアイス、だったように思う。
私のデザート。
ヴァニラアイスにヴァニラソース、という謂わばいちごショート的定番の一品だが、このソースがまたこっくりまったりと旨うございましてな。
甘い物をさほど好まぬ私でも今写真を見るとその時の味わいがまざまざと蘇り、思わず階下に行って冷蔵庫を開けて店売りのヴァニラアイスを取ってきたくなる衝動と戦っている。
(美女とその骸骨ほどに違うのにね)
以上、1年すこし前のオレキスのランチでした。
そんな昔に食べたもののことなど覚えちゃいない、と思っていたけれど、不思議と写真を見ると色々と思い出すものだ。
尤も、鴨に関しては前述の通り脳天を突き抜ける美味であったので、これだけのためにも必ず再訪しよう、と心に決めていたが故に忘れる筈もなかったのだが…
とまれ。
この記事、最後に気の利いた言葉で締めようと思ったけど、結局何も出てこなかった。
というか気の利いた言葉なんぞ私に書ける資格もない。
兎にも角にも、どっしりしっかりとした美味しいフレンチ、ご馳走様でした。
そして、幾度か煌めくような幸せなひとときを過ごさせて頂いたこと、本当にありがとうございました。
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