2014年10月2日木曜日

4th,Sep 2014 バスに乗ってピカデリー・サーカス、そしてトラファルガー広場にナショナル・ギャラリーと鉄板の観光をすること

(前回までの記事)

30th,Aug(2014) 先ずは遙かなるロンドンに向けて出立すること

30th,Aug 2014 なんとかロンドンに到着するもちょいちょい小トラブルに遭遇すること

31th,Aug 2014 ヴィクトリア駅から一路コッツウォルズ地方に向かい、まずバーフォード村、次いでバイブリー村を訪れること

31th,Aug 2014 続いてボートン・オン・ザ・ウォーターにブロードウェイを散策すること

1st.Sep 2014 朝もはよからハイドパークをお散歩すること、そして「聖地」に赴くこと

1st,Sep 2014  聖地その2を訪れたのち、大英博物館にどっぷりと浸かるも途中で白旗を揚げること

1st,Sep 2014 聖地その3を訪れ、ショッピングを、と見て回るもほぼボウズであったこと、そして最後の最後でトラブルが発生すること



3rd,Sep 2014 公園やらコヴェントガーデンやらを見て回ったのち、ムール貝天国を心ゆくまで愉しんだこと

4th,Sep 2014 「The Empty House」ことLeinster Gardensを探訪し、改めてPaddington駅を見て回ること

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さてさて。
今日最初の目的地はトラファルガー広場である。
色々ルートを考えたが、バス好きの母がバスに乗りたい乗りたいと主張するので、ピカデリーサーカスまでバスで行ってのち歩くことにした。


Islington Angelの文字にファーとなるベネディクトファンである

この日は目出度く2階デッキの先頭、つまり「うれし席」をゲットした。
うれし席にいる以上うれしに徹せねばならないので写真を撮りまくった。


メインロードは2階建てバスだらけだ。


この距離で急停車するので結構おっかない


HMVのOxford Street店。
そう、知ってましたか皆さん。
HMVはHis Master's Voiceの略なんですよ!
(知らなかったの私だけですかそうですか)
この写真では見難いけど、看板には蓄音機(から聞こえてくるのであろうご主人の声)に耳を傾ける犬の絵が描いてある。

これを読んで、あれ、それってビクターのトレードマークじゃない?
と思ったあなたは鋭い。
この犬と蓄音機は、元々は英グラモフォン社(現英EMI)のマークであった。
ここからグラモフォン社の小売部門がHMVを称するようになり、分離独立した今でもこの名称とマークを使っているのである。
そしてグラモフォンと姉妹会社であったアメリカのビクタートーキングマシン社(現RCA)、更には同会社の子会社であった日本ビクターもこのマークを用いている。
つまりHMVもビクターのマークも、今は経営母体は全く違えど元を正せば祖先を一にするものなのだ。

閑話休題。
そしてうれしは写真を撮り続けるのであった。




程なくしてピカデリー・サーカスに到着した。
何度か通過したが、じっくり眺めるのはこれが初めてである。



エロスの像。
なにやらものものしいが、
・エロスじゃなくって弟のアンテロスだよ(制作者談)
・アルミニウム製だよ(像としては世界初らしいが)
と聞いて抱いていたイメージが随分カジュアルになった。
渋谷のハチ公広場的な待ち合わせのメッカである。


ヘリオス(太陽神)の四頭の馬。
此方もまたものものしいが、1992年製と聞き、お、おう、となる。
古事・古物至上崇拝主義の悪い癖である
(けど直らない)

ここからトラファルガー広場に向かう。
広場へと抜ける道は工事中で狭かった。

「なんでこんな道通るの」
「目的地に行くため」
「うるさいし、狭いじゃない。絶対こっちの道だと思うんだけど」
ああ、私の方向音痴はこの人譲りだなあとしみじみ思う。
「何を根拠に」←そろそろこめかみに怒りマーク
「広いし、明るいし」
よーしそんじゃそっち行け。
と言いかけるもぐっと我慢する。

雲行きが怪しくなってきたが(実際も隠喩的にも)、兎にも角にも程なくしてトラファルガー広場に到着した。



その広々とした眺めに、先程のいがみ合いも忘れぱしゃぱしゃ写真を撮りまくる鳥頭の母娘であった。



「(遥か上を指さし)あの人、知ってるわよ。ネルソン提督でしょ」
「おお、よく知ってんじゃん」
「無敵艦隊破ったんでしょ」
「それエリザベス1世の時代だから16世紀」
「だって、ネルソンさんはエリザベスのお気に入りだったんでしょ」
「それドレイク」

微妙に知識があるあたり残念感が半端ない。


吾輩、無敵艦隊は破っておりませぬ
(超望遠で撮ってみました)



ここをシャーロックとジョンが降りていくんだよな。
(BBC「シャーロック」シリーズ1エピソード2「死を呼ぶ暗号」より)
さりげにロケ地探訪も兼ねられるところがこの広場のよいところだ。

「…ねえ、あれはなに?」

今度は何かいなと振り向いてみたところ、


ででん

「…ごめん、わからん」
「なんか違和感あるわあ。なんなの?」
「分かりました少々お待ちを」

"トラファルガー 青 鶏"で検索をかける。
ほおほお、これはなかなか面白いではないか。

それは昨年(2013年)7月25日のこと。
トラファルガー広場に突如巨大な青い雄鶏が舞い降りた。
このオブジェ、ドイツ人アーティストによる「Hahn/Cock」なる作品なのだそうな。

しかしこれが物議の種となった。
何となれば、雄鶏は実はフランス(人)の象徴なのだ。
その歴史は古く、フランス(一帯)がガリアと呼ばれていた古代ローマ期に遡る。
(ラテン語でガリア人を指す「gallus」は、同時に雄鶏の意も併せ持つ)
このモティーフ意識は中世には一旦廃れたが、絶対王政の頃に復活し、ローマ時代と同じく硬貨に雄鶏が刻まれるようになる。
フランス革命後の共和政期にも多く用いられ(但しナポレオン1世他皇帝には好かれなかったそうだが)、第三共和政以降は公式のモティーフとなった、らしい。
(第一次世界大戦時からとの説もあり)

で。
ゴタクはさておき、そんなフランスの象徴たる雄鶏が、こともあろうに対フランス海戦勝利を記念した広場にどーんと鎮座ましますのはどういう了見じゃゴルア、という物言いがついたらしい。
当の作者のドイツ人氏は、雄鶏がフランスの象徴だとは知らず、あくまで強さと再生を表現したものと釈明。
更には、
「ナポレオンに対する勝利を記念する広場に『ナポレオンが雄鶏となって戻って来た』というジョークとして受け止めてはどうか」
と提案したという。
AFPBB Newsより)

どう見ても確信犯のドイツ人(ここにアクセントを置く)氏、大変よろしいと思う。

雄鶏ににやにやしたあとはThe National Galleryへ。


此方も大英博物館と同様、ほんとにここ無料なんですか?と聞きたくなる程、凄まじいボリュームの所蔵品を誇る美術館である。
ここの部屋3部屋分くらいの美術品があれば、日本でそこそこの規模の美術展がひらけるだろう。
兎に角、なんでもある。
あるったらある。
ボッティチェリにドラクロワ、レンブラント、ゴヤ、ルノワールにピカソと、中世以降の美術を一気に眺めたので頭が少々、いやかなりちゃんぽんになった。


大好きなゴヤの絵を一枚だけ

母などは、暫くするとどっかりと座りこみ、
「なんか沢山ありすぎてようわからんわ。
 ええのあったら見繕っといて」
と呉服屋の大得意みたいなことを言い出す始末であった。
「あそこに睡蓮あったよ、睡蓮」
「じゃあ行こうかしら」
てな具合である。


これだけ部屋があるんだものなあ…

些か美術成分を摂取し過ぎ、げっそりして外に出たのは3時間後。
取り敢えず見ることにエネルギーを費やしたのでお腹が空いた。
昼ご飯を食べに行こう、そうしよう。

つづきますよ

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