0.Road to Lake Districtー湖水地方への道(下調べ・予約編)
1.8/29(土)日本を出立しイギリスの地に足を踏み入れるも、ホテルやバービカンシアター
で波瀾万丈の兆しあること
2.8/30(日)vol.1 ロンドンを出立し湖水地方に向かうこと、そしてまずはグラスミア湖を訪れること
3.8/30(日)vol.2 グラスミア湖からライダル湖を歩くこと、そしてウィンダミア湖畔ボウネスのB&Bに投宿すること
8月31日(月)
歳だろうか、
この日も夜9時に寝て朝4時には起きだしていた。
朝ご飯は8時半からとのことなのでうんとこさ時間がある。
取り敢えず、身支度を整えて早朝のお散歩に行くことにした。
ボウネス波止場は、昼間の喧騒が嘘のように静謐に満ちていた。
群れているのは白鳥に鴨ばかり。
8月最後の日とはいえ、やはりこの時間だとかなり冷え込む。
ライトダウンにパーカーで丁度よいくらいであった。人気のない街並みをふらふらと歩いて帰着す。
早く朝ご飯始まらないかな、
ここまで朝ご飯を待ち望んでいるのは勿論腹ペコだから、
しかし朝ご飯は8時半から。
ボウネスからウィンダミア間のバスは丁度良い時間に走ってはおら
うむでは仕方がない、ご飯を食べ次第ダッシュせねばなるまい。
という訳で8時半きっかりにダイニングに入る。
ユニオンジャックのエプロンをつけたおばさんがにこやかに
「おはよう!シリアルたべる?」
と聞いてくださった。
「あ、頂きます」
「じゃあここ座って。湖が見える特等席よ!」
なるほど、確かにかすかに見える。
どちらかというとマフィアのドン席というほうが当たっているよう
シリアル(コーンフレーク)
ちょっぴり焦りだしたころ、トーストがやってきた。
バターをたっぷり塗ってむんずと頂く。
急いでいたこともあり、
…むう。わんこそばならぬわんこパンか。
頂いたものは断れないタチなので、更にもしゃもしゃと頂いた。
そうこうしてると、
豆のトマト煮といい、バンガーズ(
しかし私は急がなければならない。
味わいつつでも早急に、
どれも大変美味しかったが、大変に塩辛い。
塩味濃いめを好む私が辛いと感じたので相当だったのではないか。
食べ終わったのは8時50分。
紅茶をぐぐっと飲んでごちそうさまし、
しかしそこからはなかなかの難行苦行であった。
なんせボウネスの街は湖畔にあり、
高低差は相当なもので、
途中でダウンもパーカーも脱ぎ、うわ朝ご飯出そう(尾籠失礼)となりつつ上着一枚で息を切らせながら道を急いだ。
競歩を続けつつ、ふと時計を見ると9時20分である。
わあ発車5分前ではないか。
まだ坂は続いてはいたが決死のダッシュでラストスパートをかまし
バスの前にいたおにいさんに
「あっあっあの、いっいっ一日乗車券ぜえぜえくだはいぜえぜえ」
というと、
「わ、わかった。まあおちつけ」
と言われた。
「…てか一体、どこから走ってきたん?」
「ぼ、ボウネスですぜえぜえ」
「あーそれはお疲れさん。きついよな。ほら乗車券」
「ありがとぜえぜえ」
「はよ乗って座って休み」
「ありがたすぎますぜえぜえ」
疲労困憊でバスの椅子にへたり込む。
こんなところで体力を消耗していて大丈夫だろうか。
程なくして時間となり、バスは発車した。
このバスはコニストン湖への505便である。
本数は1時間に1本と少ない。
(だからこそ遅れると大事だったのだ)
観光用の二階建てバスでもない、至って普通のバスである。
しかし景色は美しかった。
この日の朝は快晴だったので、
これはプチトレッキング、期待できる。
バスは、
ぎりぎりすれ違ったり対向車がバックを余儀なくされる状況を眺め
車窓より
1時間程で降車したのはコニストンの街の手前のモンクコニストンという場所
辺りは森ばかりで何もない。
「ほんとここでいいの?」
「いいのいいの。ありがとう」
バスを降りて颯爽と?歩き出す。
地図によると、道を渡ったところにブーン・
ここで少し薀蓄を。
イギリスの田舎を歩くときに必ずといっていいほど出くわすパブリ
ではパブリック・ブライドルウェイとは何かというと、
ブライドルウェイでは馬に加え自転車も通行可能だが、
さてブライドルウェイである。
おなじみの木戸を開けて(今回はちゃんと開けることができた)
といいたいのだが、
幸い、前に犬を連れたおじさんがいたのでターン・
この道、最初は平坦だったがそのうち勾配がきつくなってきた。
足元も石がごろごろする木の根道で、
(まあ本当に馬で通行する人はいまいが)
運動不足の私は我が足でぜえぜえはあはあとひたすらに歩く。
そういえば、
怖くはないが、連休ともなればくまなくあちこちがごった返す極東の島国からやってきた者にとってはなにやら不思議に思えた。
それよりも兎に角足が痛い。
やはり昨日からの歩き詰めが堪えているようだ。
暫くすると左側の視界が開けてきた。
牧草地との境界であろう、
再び木戸を開けると、目前にはナショナルトラストマークの看板、そして「ターン・
おおやっとたどり着いた。
障害者用の駐車場を抜け、整備された小道を更に歩くと…
見えてきた。
気持ち良く晴れていたこともあり、
目に染みわたる深く鮮やかな紺碧の水面。
いやあ、これはずるい。
ちょっとずるすぎるよ英国。
何がずるいんだかよく分からないが、
ここでも湖畔に降りることができたので、
湖水は、昨日の2湖よりもきりりと冷えていた。
ひととおり眺め写真を死ぬほど撮り、
名残惜しくはあったが、振り返り振り返りしつつターン・
帰りは行きとは違うルートを採った。
先程までとは打って変わって、
そして何より嬉しい下り坂だ。
一部車道ではあるが、車の通りは殆どない。
緑の山や、
途中、一軒の家に行き当たった。
Tarn Hows Cottageというらしい。
湖水地方ではこの時期、よく紫陽花を見かけた。
ここのものは少々草臥れてはいたが。
ひととおり眺めさあ先に進もう、としたとき、更なる問題にぶちあたった。
この家の前の木戸の鍵がまたもや開かないのだ。
ここです
押しても引いても、上に引いても下に下げても、
ここには誰も助けてくれそうな人はいないしどうしよう。
いっそよじのぼってやろうか、とまで思い詰めて?いたところ、
やおら、
「あらあら大丈夫?」
「開けられないんです~ううっ」
「大丈夫、開けてあげるよ」
でもこのご夫婦もかなり手こずっておられたので、
苦闘のすえ開けてくださったご夫婦に御礼を言い、
Yewdale Beckという小川沿いの気持ちの良い細道をずんずん進む。
(因みに、小川をBeckというのは北イングランドの方言?
ドイツ語のBachと関係あるのかしらん)
川と別れると、広々とした放牧地に入った。
羊たちが寄ってきて物珍しそうに眺めるのでお返しに激写して差し
お前は何者ぞ
牛さんも沢山いた
気持ちの良い明るい牧場の一本道をずんずん歩き、
正面からは分からなかったが、綺麗にお花が植わっている。
おお、もうここまで来たか。
ここから再びバスに乗って終点のコニストンまで行こうと思ってい
コニストンまでのフットパスの左側は車道で若干走行音が気になるが、右側には牧場が広がっているのでこれまた歩いて楽しい散歩道である。
20分ほどで街、いや村の中心部に到着す。
ボウネスなどに比べると鄙びてのんびりした雰囲気である。
まずは有料のトイレをお借りして(40ペンスだったかな)、
こんなの(SPARオリジナルだそうな)
・塩辛い朝ごはん
・バスに乗るためのダッシュ(汗だく)
・3時間のトレッキング(汗だく)
・トイレ行きたくないから水分補給最小限
という要素が重なり、兎に角喉がからっからのからだったのだ。
日本でこの時期だと熱中症間違いなしである。
おかげで怪しいオレンジ味も甘露と思えた。んまい。
(ちょっと昔懐かしいバヤリースに似てた)
文字通りの水入りで元気を取り戻したあとは、いよいよコニストン湖畔へと向
つづきます
0 件のコメント:
コメントを投稿