2015年9月21日月曜日

8/30(日)vol.2 グラスミア湖からライダル湖を歩くこと、そしてウィンダミア湖畔ボウネスのB&Bに投宿すること

【これまでの記事】

0.Road to Lake Districtー湖水地方への道(下調べ・予約編)

1.8/29(土)日本を出立しイギリスの地に足を踏み入れるも、ホテルやバービカンシアター
で波瀾万丈の兆しあること

2.8/30(日)vol.1 ロンドンを出立し湖水地方に向かうこと、そしてまずはグラスミア湖を訪れること


さあいよいよ湖水地方の真髄、湖(当たり前だ)を歩こう。




途中、さっきミニチュアを買ったダヴ・コテージを過ぎる。
ミニチュアより随分シックな色合いであった。


グラスミア湖を右手に眺めつつ交通量の多い車道(ちょっと危ない)を暫し歩くと、さらに湖側に向かう脇道があった。
おおこれがパブリック・フットパスというものか。






暫くは足下が悪い木の根道が続いたが、程なくして歩きやすい木道にとって変わった。
更にずんずん進むと、目の前に木戸が現れた。



パブリックフットパスにはこういった木戸がちょくちょく備え付けられている。
羊や牛がよその土地に入り込まぬためのものであるので、どの木戸にもちょっとした鍵がついていて、歩く人は自分でそれを開け、通ったのち再び閉めねばならないのである。
では私も早速開けてみよう。

…あれ、開かない。
押しても引いても開かない。

「これはねえ、こうやって開けるんだよ」
前からやってきた老夫婦の旦那様がいとも簡単に鍵を上へ(上だったか!)引き上げてくれたので、サンキューソーベリーマッチありがたすぎるありがたすぎると連呼し通過させて頂く。


ありがとうご夫婦

ここから直ぐにグラスミア湖畔に辿り着いた。




まずは敬愛する作家、アーサー・ランサムに倣い、「湖への挨拶」をすることにする。
とはいってもただ手をつけるだけなんだけど。



撮影のために手をかざしてみました
(カメラ落っことすのが怖いのでこのときは実際につけてません)

水は相当に冷たい。
隣で子供たちがきゃっきゃと水を掛け合ったりしていたが、やっぱりアングロサクソンっちゃ強いものだなと感心した。



犬も水遊びに興じてました

ひとしきり眺めた後、再びフットパスに戻る。
今度は川に沿い、せせらぎの音と共に歩く。
日本で例えていうなれば、奥入瀬渓谷の遊歩道をもう少しこぢんまりさせた感じだろうか。




ここの木戸は一発で開けることができた。
流石私(自画自賛


行き行くと、みたび木戸が現れた。



あー知ってる知ってる。
この鍵、上にひっぱるんだぜ。
と思いきや、これまたうんともすんとも開かない。
「…これはこうするの」
今度は家族連れのおじさんがバーを横にスライド(横だったか!)して下さり、またもや私はありがたすぎるを連発する羽目になった。

この先も色々な木戸の色々な鍵に出くわすことになるのだが、勝率はトータルでざっと4割といったところだったろうか。
残り6割の木戸は、そこらへんにいた皆さんのご厚意に甘え開けてもらう体たらくであった。
しかしなんでまた、場所によって鍵が違うのだろうか。
それだけ湖水地方の羊や牛はクレバーなのだということだろうか。
私よりも。

とまれそうこうしていると、目前にはライダル湖の景色が広がった。



グラスミアとは小川で繋がっている静かな湖である。
この鏡面のような水面を左手に眺めつつどんどん進む。



暫くして湖岸に出たので、ここでもそっと手を浸しご挨拶奉った。
(写真割愛)


橋を渡る

風景を眺め写真を撮り倒し行き行くと、最初に歩き出した車道に突き当たった。
渡ると目の前には鄙びた建物が佇んでいる。
その名もそのまんまライダル・チャーチというちいさな教会である。
規模といい雰囲気といい、どことなく五島列島の村の教会を思い出した。





東方の異教徒ではあるが、これからの道中の無事を祈った。

ここにてウォーキングは終了。
教会前のバス停で暫く待つと、運の良いことに程なくしてボウネス行きのバスがやってきた。
これで今宵の宿まで一直線だ。

このバスは天井が半オープンの二階建てだったので、当然ながらオープン部分に陣取る。







ガラス越しではないので牧場も綺麗に撮れる




ゆえにもういちどアンブルサイドを撮る

行きと同じくアンブルサイド、ウィンダミア湖畔、ウィンダミア駅を通過したのち、坂道をぐんぐん下り湖畔の街、ボウネスへと向かった。
(この「坂道」というのが重要なポイントなのだが、その話はまた後日)


ボウネスはウィンダミア湖畔随一の賑わいを見せる街だ。
終点の波止場で降りた後、暫し辺りをうろつく。












ここはアーサー・ランサムの小説のなかで、登場する子供たちに「リオ」と呼ばれる場所のモデルである、といわれている。
喧騒から離れた静かな湖畔の別荘で夏休みを過ごし帆船を操る四人兄弟、ジョンにスーザン、ロジャにティティは、観光客で賑わうこの場所をブラジルの大都市、リオに擬える。
宝島などの冒険譚に夢中の彼らは、地元民や観光客を「土人」(っていったらだめなんでしょうがまあお目こぼしを)と呼び、リオは土人のメッカだからね、と揶揄する
でもジンジャービアなんかは買ったりする)

確かにボウネスは大勢の観光客で溢れていた。
(私も勿論One of Themなんだが)
賑やかな界隈をちょっと見て回ったのち、今回宿泊するB&Bへ向かった。



おーここだここだ。
Field House Guest House なるB&Bである。


見切れてるけど一応全景




うん、どっちなんだろう。

扉を開けようとすると、鍵がかかっている。
あーなるほど、ここは部屋の鍵と宿の鍵、二つ渡してもらえるタイプの宿だな。
と納得するも、まず入れなければどうしようもないので生きているのか死んでいるのか分からない呼び鈴を何度も押してみたり、ガラス越しにじいいっと覗いてみたりした。

さすれば気配を感じたか、はたまた呼び鈴が奇跡的に機能したかでおばさんが一人奥から出てきた。
「あのう、今日から二泊するぴこらですが…」
(恐る恐る予約メールのプリントを差し出す)
「はいはい、ちょっと待ってね」
おばさんが精査する間、私は気は気ではなかった。
昨日みたいに部屋を用意できません、とかいわれたらどうしよう。
三連休の中日に湖水地方で別宿がすぐ見つかるとも思えない。

心配している私をよそに、おばさんはちょっと待っててね、と一旦階下に引き下がった。
うわーやっぱり部屋ないのかしらこれ。




ちょっと面白い雰囲気のロビーで、暫し気もそぞろに待つ。
(でも写真は撮る)

暫くしておばさんが再び姿を現した。
「あーはいはいお待ちしてましたよ」
ああよかった。

「じゃあ部屋に案内しましょう」

案内された部屋はご覧の通り。






レイクビュー、そして素敵なインテリアに一気にテンションが上がる。
バスタブはなくシャワーブースのみだが十分だ。
水回りも清潔で言うことはない。
想像以上に瀟洒なB&Bであった。

旅装を解いて再び街に出る。
お土産物やさんなどを覗いて回るも、そう大したものはないようだ(ごめん)
とりあえず夕飯をゲットしよう、とコーニッシュパスティ屋さんで二つパスティを買い求める。
お腹が空いていたから二つくらい余裕だよね、と思ったのだが、持って帰って改めて見るとその大きさに度胆を抜かれた。
こりゃあ、ショーケースの中で一緒に並んでいたラージサイズと見比べたときに大きさの感覚を見誤ったな。



比較対象がないので大きさが実感頂けませんが

そしてテスコに入り命の水、ビールをゲット。
どうせならイギリスエールを、と思ったが、冷えているものはベルギーかドイツか、はたまたイギリスものしかなかったので仕方なくステラ・アルトワを選ぶ。
こいつを冷やす冷蔵庫が宿にないから氷を探すもこれまた見当たらなかったので、冷凍ポテト£1¢50也を保冷剤代わりにすることにした。
(食べ物を無駄にして本当にごめんなさいごめんなさい)

色々買いこんだのち宿に戻る。
シャワーを浴びて(このシャワー、実に温度調節がしにくかった。まあ文句は言えないが)さっぱりして着替えてふと窓をみると、丁度眺める方角に夕日が落ちようとするタイミングであった。






巨大コーニッシュパスティに噛り付き、ビールを呷りお洒落B&Bから夕日を眺めるというのは実に乙なものである。
お蔭で普段開けもしないfacebookを開けて更新などということもしてみた。
これで私も晴れてリア充だ。

この日は流石に疲れていたのだろう、大瓶ビール中途でふわふわと眠くなった。
普段もこれくらいの酒量であれば経済的だし、体にも優しいのだろうが…
軽く明日の準備をして早々にベッドに潜り込んだ。

つ づ く ね ん

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