2013年5月30日木曜日

A Short Trip to Tokyo(May 24,2013 vol.2)

さてさて。

ラファエロ展鑑賞後は同じくルネサンスの巨人、ダヴィンチ展を観るべく徒歩5分の距離の
東京都美術館に赴いた。

今回のダヴィンチ展のウリは「音楽家の肖像」に加え、ミラノはアンブロジアーナ図書館所蔵のかの有名な「アトランティコ手稿」である。
「音楽家の肖像」は現存するダヴィンチ作の唯一の男性肖像画、とはされているが真作かどうかは疑わしい由。
(展示では真作とされていたが)
長らくダヴィンチの真作とされていた「貴婦人の肖像」は「レオナルド派の画家による」と解説されていたが、どちらかといえば私は此方の方がよりダヴィンチ的であるように思えた。
ええあくまで個人の勝手なイメージですが。

他の絵は模写だったりレオナルデスキ(ダヴィンチの弟子や追従者の総称とな)の作品だったりであった。
大好きな「洗礼者聖ヨハネ」(あの不敵な笑みが堪らん)があったのでおっ?と思いきやレオナルデスキの筆になるものだったりして、別に真作絶対礼賛主義者ではないのだがちょいちょいとがっかりさせられたことであった。

もう一つのウリ、アトランティコ手稿を観ているとまずはその描かれている画の数々の緻密さに驚き、次にその分野の広範囲ぶりに驚き、最後には一体なんやねんこの人、と羨ま口惜し気味悪くなること必至である。(私だけか)
昔、塩野七生女史は私はダヴィンチ好きだけどダヴィンチの本は書けない、何故なら彼の守備範囲の学問分野を私は全て網羅して理解することが出来ないからだ的趣旨のことをどこぞのエッセイで言っておられた。
まあそうですわね。
弩(いしゆみ、ね)を装備した歯車の仕組みやら、円が作る影の研究?やら、ヴィジュアルとして観ておお何やら凄い、美的な何かを感じる(この「何やら」だの「何か」だのががっかり美術鑑賞者の私を如実に物語る訳だ)とか思わなくもないが、それが明確に意味するところは骨の髄まで文系人間の私にも到底理解できそうにない。

そんなこんなで見終わったら時は4時過ぎであった。
今宵の待ち合わせ時間迄はまだ少し間がある。
故に東の百貨店の雄、新宿伊勢丹に赴くことにした。

新宿の伊勢丹には女性のSサイズショップコーナーがある。
残念ながらご多分に漏れず規模は小さいのだが、この中には日本で唯一の(ということは恐らく世界でも唯一の)「シビラ」のSサイズショップがあるのだ。
シビラ好きだが基本9号展開なので無理だねえと諦めていた私にとっては大いなる福音であったのだが、如何せん東京にしかないのでそう度々は行けない。いやそうほいほい行けぬ方がお財布的には優しいのだが。

今回もほいほいと赴いたところ、店員のお姉さんに
「大阪の方ですよね!覚えています」
と言われてぎゃーと驚く。
悪いことはできぬものだ
(してませんが)

今回は、マネキンにコーディネートしてあり一目で気に入った素敵な水色のワンピとお揃いのボレロを手に入れた。
お姉さんによると、
・大阪のシビラの店で気に入ったものの品番を聞き 
・この店舗に電話を掛けると
・送料のみプラスでSサイズの品を送ってくださる 
のであるらしい。
(伊勢丹カードを持っている人に限る)
私と同じくちびっこでシビラ好きで関東以外在住の方には朗報である。
しかし、そんなことができてしまうなどと聞くとまた物欲が湧いてきてしまいそうで怖い。
ああ、まんじゅう怖い。
(にこにこ)

そうこうしていると待ち合わせの時間が迫ってきたので中央線に飛び乗る。
目指すは未踏の地、荻窪だ。

ここで邂逅したはほぼ10年来の知己のF嬢である。
いやはや光陰流水。会ってからもう10年近くも経つのねえ。
(独り言です)
今日はF嬢のご友人夫妻が経営されている人気ワインバー、「General Warrant」でお食事なのである。
Royal Warrantをもじったのであろう名前からして洒落ていて期待が高まる。

その店は荻窪駅からほんの1,2分の場所にある。
こじんまりした2階店舗なので、うっかりすると通り過ぎてしまいそうだ。
(実際行き慣れているF嬢も通り過ぎていた)
最初はまばらだった客の入りも時間が経つにつれ大入り満員と相成った。
かなりの人気の店らしい。


まずはビールで久闊を叙した後は前菜盛り合わせ。
内容も素晴らしいが兎に角色彩のセンスが卓越している。
味の方も申し分ない。
こんな盛り合わせが出てくればワインにシフトするのは必至である



ワイン選びの名手のかわいらしい奥さまに選んで頂いた白と共に頂く次の伊料理は、ホワイトアスパラガスと半熟卵添えである。
ホワイトアスパラが実に立派で実に柔らかく、そう私はこれを求めていたの!と嬉しくなってしまう一品であった。
(最近固くて細いホワイトアスパラを供するところが増え色々がっかりしていたところだったので)
そしてこれにまた奥さまセレクトワインがよく合うこと。
私の知り合い史上(て何だ)最高のグルメであるF嬢が大絶賛しているのもむべなるかなである



お次はソーセージ。
むっちりと肉の味が濃く、マスタードをつけると実に旨い。
ここのお料理はどれをとっても間違いなくまっとうに美味しい。
そして、コスパも大変によい。
こりゃあ流行る筈だわ。
私もこんなお店が大阪にあったら通い詰めてしまいそうだ。


因みにワインはこれでした。
エチケットがお洒落。

ひととおり食べ飲みしたあと、F嬢がよいカクテルバーがあるんだけどと言い出した。
「場所はどこ?」
「麻布十番なんですが」
なんとまあ麻布十番とな。
そんなシャレオツな場所にカクテルなんぞ飲みにいけるようになったとは自分も大人になったものだなあと田舎者は暫し感動したのであった。

なんでも、F嬢が某先生に連れられていったアメリカンクラブにおられたバーテンダーさんが独立され、この地にお店をオープンされたらしい。
「その時飲んだ青トマトのカクテルが美味しくて…」
何、青トマトのカクテルとな。
それは行かねばなるまいて。
という訳で先達F嬢の導きのまま麻布十番に赴いた。

お店はこれまたこじんまりとしていたが、一番に目についたのは幅が広く分厚い一枚板をL字型に配置したカウンターであった。
他のしつらえにも全てなにかしら和の雰囲気が漂う。
私達が行ったときには外国人の先客さんが数名いらっしゃり、カクテルにつき色々な質問をする彼等にマスターはひとつひとつ丁寧に説明なさっていた。

余談だが、今までの私であれば英語が聞こえてくればわあ英語英語だ嫌だ英語、絶対分かんないし怖い怖いと耳と心を閉ざしていたものであった。
これでも大卒なのだから本邦の大学教育というのは目を覆いたくなる体たらくであると言わざるを得ない
(頭の悪い責任転嫁)
しかしここのところのSherlockフィーバーのおかげで、皆様の会話の8~9割方は聞き取れることに気づき我ながらおおおっと思ったことであった。
スピード○ーニング等より萌えで覚える英語、絶対お勧めである。

閑話休題。
カクテルは一品でも頼めるが、四品5,000円弱、六品6,000円弱の「コース」もあったので此方を注文することにした。
飲ん兵衛の私は六品コースを注文した。








どうですかこの懐石様の誂え。
個々のカクテルの詳しいフレーバーは忘れてしまったのだが、旬の果物や野菜、ハーブを駆使して作り上げるそのプロセスは当に錬金術のようであった。
そしてそのプロセスの後出来上がるカクテルは当に立派な「作品」である。
味の方も勿論申し分ない。
複雑だが嫌味でなく、全てに於いて熟考されたハーモニーを感じられた。
かような場所でかような芸術品のようなカクテルをかようなお値段で頂けるとは夢のようである。
マスター氏、恐るべし。
そしてやはりF嬢、恐るべし。

楽しく飲んでお喋りしてマスター氏ともお話し、はっと気づけば12時近くであった。
麻布十番で真夜中まで飲んでいるなんて私も大人になったものだ
(もうええわ)

そんなこんなでお江戸入り初日は終了。
相変わらずのF嬢の完璧なお店セレクトぶりには脱帽させられたことであった。

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