2014年5月24日土曜日

シャーロックSherlock/S3E1「空の霊柩車」原作(その他)の元ネタ

※以下はオリジナル英語版によるネタ探しです。
5月24日に放映された吹替版とは一部異なるところもあるかと思いますがご承知おきください。

・冒頭、セルビア人のアジト:捕虜になり拷問を受けるシャーロック
→髪型、磔のスタイルから磔死→復活するキリストを意識?

・レストランを追い出されてダイナー風の店で3人が語るシーン:S2E3のライヘンバッハ時、死を避けるには13通りの方法があったと語るシャーロック
→キリストの弟子数?(使徒に非ず)


・メアリーがジョンの前でジョンブログを読み上げる
→『四つの署名』第6章「シャーロック・ホームズ、論証する」の記述。
ポンディシェリ・ロッジでのホームズの推理する様をワトソンが描写した一節。
「その動作のすばやく、音も立てず、しのびやかなことは、熟練した警察犬が臭跡を嗅ぎ出すさまにも似て、私は、もし彼がこの精力と抜け目のなさを、法の防禦のためではなく、法を破るために用いていたならば、なんと恐るべき犯罪者になっていたことであろう、と思わずにいられなかった(阿部知二訳)」

・シャーロックの仕事シーン1:ロンドンの地図を目の前にして「ロンドンは犯罪者の吹きだまりだ」等と独白する
→『緋色の研究』 冒頭より。
「このような状況のもとにおかれた私が、全国の無為遊惰の徒が、はきだめのようにあつまる、大都市ロンドンにひきつけられたのは当然のことであった(阿部知二訳)」

・シャーロックの仕事シーン2:Monkey Gland(直訳すると猿のリンパ腺、だがスラングとして度胸などの意味もあるらしい。) プレスベリー教授、というタームが登場
→『這う男』より。
上記プレスベリー教授は類人猿の血清を自らに注射して若返りを図った。

・シャーロックの仕事シーン3:ネットで知り合った?ボーイフレンドからメールが来なくなったとすすり泣く女性からの相談。犯人は彼女の義父。彼女の給金が頼りだったので、他の男と結婚して家をでていかれぬようボーイフレンドを装いメールを交換していた。
→『花婿失踪事件』より。事件の概要は全く同じ。

・ジョンの仕事シーン:チャーチ通りで小さな本屋(とDVDショップ)を経営している外国なまりの男がやってきて、ジョンに『樹木崇拝』、『イギリスの鳥』、『聖戦』などといういかがわしい書籍や雑誌、DVDをすすめる。
→『空き家の冒険』より。原作ではこの男が扮装したホームズだが、S3E1では全くの別人である。しかしジョンはシャーロックと勘違いして掴みかかる。
原作での本のラインナップは以下の通り。
 1."The Origin of Tree Worship"(『樹木崇拝の起源』)
 (ロナルド・アデア卿殺人事件の現場からワトソンが立ち去ろうとして、件の本屋(に化けたホームズ)とぶつかり、その際に落ちた本を数冊拾ったときに彼の目についた一冊。
因みにS3E1では” Tree Worshiper”(樹木崇拝者)という名になっていた。此方の方が心持ちエロいようなそうでもないような)
 2."British Birds"(『英国の鳥類』)
(S3E1ではセクシーねえちゃんが表紙を飾る雑誌に)
 3."Catullus"(『カトゥルス』→ローマ時代の詩人)
 4."The Holy War"(『聖戦』)
(S3E1ではDVDに。内容はThere's a nun with all these holes in her habit とのことなのだが英語難民にはよく分からず。身持ちが良くなく隙だらけの尼さんが出てくる、くらいの意味?

2~4は診療所で本屋がワトソンに見せた本。
1.2.4はS3E1の上掲シーンに登場するラインナップとぴたり一致する。
流石に3.はエロ本orDVDのタイトルにはし難かったか。
更に因みにこのときの老人の風貌はグラナダ版ホームズの「空き家の冒険」でホームズが変装した姿とよく似ている。(白髪、黒メガネ)

・221Bにマイクロフトが訪れたシーン:クライアントが忘れた毛糸の帽子から、マイクロフトとシャーロックが推理合戦を始める
→『青い紅玉』より。ホームズはクリスマスイブの夜にガチョウと共に落ちていたという古いフェルト帽を元に、持ち主に関する推理を始める。

以下は両者に共通する推理要素。
1.最近髪を切った
2.サイズが大きい
原作ではこれが頭のよい男である証拠とされるが(骨相学等の影響か)、S3E1では男であることの(しかも薄弱な)証拠としかされない。
3.汗シミがある
 原作では運動不足の証、S3E1では体調不良の証とされる。
また、原作では帽子には5つの「蝋燭の跡」があるが、S3E1では5つの「修理跡」がある。

・地下鉄車両が消えた謎を追っているシーン:シャーロックは問題の箇所が「スマトラ通り」であると気づく
→『サセックスの吸血鬼』内、ホームズが「マチルダ・ブリッグズ号」なる船に拘わる事件のことを話すシーンで、この船の名は「スマトラの大ネズミ」に由来すると語る。
(公表するには未だ時が熟していないとのことでこれ以上のディテールは語られない)
因みに今回のエピソードのキーワードは「Rat」である(S.モファット氏より)

・爆弾が仕掛けられた地下鉄車両内シーン:シャーロックがジョンに爆弾を止める方法を知らないのか、と詰め寄った時、ジョンが「僕は爆弾処理班じゃない、ただの医者だ!」と声を荒げる
→スタートレック(TOS)、船医マッコイ(マコーイ)の有名な台詞より。しょっちゅう無理難題をふっかけてくるカーク船長に「俺は○○じゃない、医者だ!」と抗う。

・シャーロックがアンダーソンにライヘンバッハの真実を語るシーン:前述の通り全部で13通りあった死を装う計画の中から選ばれたもののコードネームが「ラザルス」
→一旦死に至ったが、イエスによって蘇った「ラザロ」に由来。
因みに本譚はヨハネ福音書(ヨハネは英語読みでジョン)に記述が見える。

※ガイフォークスに関しての説明は割愛しました。

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