2014年9月17日水曜日

2nd,Sep 2014 ウェストミンスター「大聖堂」、そしてバッキンガム宮殿を見学すること

(前回までの記事)

30th,Aug(2014) 先ずは遙かなるロンドンに向けて出立すること

30th,Aug 2014 なんとかロンドンに到着するもちょいちょい小トラブルに遭遇すること

31th,Aug 2014 ヴィクトリア駅から一路コッツウォルズ地方に向かい、まずバーフォード村、次いでバイブリー村を訪れること

31th,Aug 2014 続いてボートン・オン・ザ・ウォーターにブロードウェイを散策すること

1st.Sep 2014 朝もはよからハイドパークをお散歩すること、そして「聖地」に赴くこと

1st,Sep 2014  聖地その2を訪れたのち、大英博物館にどっぷりと浸かるも途中で白旗を揚げること

1st,Sep 2014 聖地その3を訪れ、ショッピングを、と見て回るもほぼボウズであったこと、そして最後の最後でトラブルが発生すること


9月2日(火) ロンドン:晴れ時々曇り

前日、よく歩き回ったので流石に疲れたのであろう。
この日はさしもの母も午前4時のティータイムを楽しむことはなかった。

それでもやはり、彼女の朝は早い。
5時過ぎにはばっちり目覚め、6時前にはばっちり支度を済ませていた。
5時半に叩き起こされた私は寝ぼけ眼で支度を急かされる羽目になった。

「今日はどうすんの?」
「バッキンガム宮殿に行くんだけど、その前にウェストミンスター大聖堂に行く」
「知ってる知ってる」
「うん、多分知らん方だと思う」
「?」
「今日、最初に行くのはウェストミンスター大聖堂。
母が言ってるのは多分ウェストミンスター寺院」
「どう違うの?」
「大聖堂がカトリック、寺院は英国国教会」
「どっちが大きいの?」
「勿論英国国教会」
「んじゃ、なんで小さい方に行くの?」
「イギリスのカトリック教会てどんなかなあと思ってさ」

分かったような分からんような顔をして母は頷いた。

「で、なに使って行くの?」
「地下鉄。…と思ったけど、大聖堂まで直行のバスがでてるなあ」※

※「City Mapper」というスマホ用アプリで調べています。
これは本当にお勧め。
サジェストした路線に遅延や運休がでるとその旨教えてくれるし、バス路線もばっちりでした。

「バスがいいバスがいい!」
「そう?」
「地下鉄は暗くて陰気で厭だわ。二階建てバス乗りたい!」

という母のたっての希望で、初めての二階建てバスにチャレンジすることになった。
乗り方は簡単、バス停で待って、バスが来たら肩の高さくらいまで手を上げて合図して、止まったら前方入口から入って黄色いパッドにオイスターカードをタッチして(今やバスはオイスターカードやトラベルカードしか受け付けないらしい)下車停留所の表示(アナウンス)があればボタンを押して真ん中の出口からでる、という具合で、まあ日本のバスと変わらない。

ということを母に教え込み、いざバス停へ。
目当ての路線番号が書いてある停留所を見つけ、来たバスに乗り込んだ。




「どこ座る?」
「当然二階!」

急な階段をえっちら登り二階へ。
うれし席(一番前)こそ空いていなかったが、二番目の席をまんまとゲットする。
眺めは確かによいし気持ち良いものだが、運転は少々、いやかなり荒めである。


アナウンスをうっかり聞き落とし一駅行き過ぎてしまうも、無事にウェストミンスター大聖堂付近に辿り着いた。
ここらへんは大々的に工事を行っており、建物の際では昼なお暗く覆われた仮設の歩道を歩かねばならない。
歩道の壁には、「暗くてゴメンね」の文字が書いてある。
暫く歩くと、「でも少なくとも君は雨には濡れずに済むよ」と書いてあった。
(これ、写真に撮っておけばよかった)

そんな騒がしい界隈を抜けると、大聖堂が見えてきた。



20世紀に入ってからの建立とも思えぬ、レンガ造りのなかなかに壮麗なビザンティン様式の教会である。
入場は勿論(?)無料だ。

中に入ると目に入るのは、金色のモザイク画の数々である。
いやいやなかなか豪華じゃないの、と感心しふと見上げると、華麗な装飾が施されているべきドームの内側はがらんどうで真っ黒だった。
この教会は、19世紀後半、ローマ教会とイギリス国教会が和解したことから建立が始まったのだが、いかんせん予算不足で内部の装飾は未だ未完成なのだという。

「…あんた、ちょっと寄付しとき」
「そだね」

寄付箱に少しばかりの気持ちのポンドをちゃりん、と入れた。
モザイクの欠片にくらいなれば幸いである。

ここからてくてくと歩き、少し早いがバッキンガム宮殿(の見学者用入り口)へ。
まずは時間指定されているギャラリー見学口と向かう。
朝一番の9時30分に予約していたが、既に人が列を作っていた。

指定の時間前に中に入れて貰えたが、ギャラリーはきっかり時間通りしか開かないからここで待っててね、と連れて行かれたのは宮殿直営お土産物屋さん。
衛兵の恰好のクマさんのぬいぐるみにコーギーのぬいぐるみが所狭しと並んでいる。
食器にエコバッグ、可愛らしい缶に入ったクッキーと紅茶などのラインナップは町のお土産物屋さんと変わらない。
つまり全く食指を動かされない。
(すみません)
去年の王子様ご誕生記念グッズもまだまだ売られていた。
(確かこの数日後に第二子ご妊娠の報が流れたんだったな)

暫くして、やっとこさ時間になったのでギャラリーへ。
ここでも空港やBBCと同じようなX線検査を受ける。

中ではチューダー朝時代の王家の肖像や、その頃に収集された絵画が展示されていた。
重厚な建物の中で見るそれらは趣深かったが、いかんせん数が少なかった。
わざわざ時間指定してまで見る場所かは疑問である。
(確かにこじんまりとはしていたので、大入り満員になるのを避けるという意味もあったのかもしれないが…)

お次はいよいよステートルームへ。
ここは、女王一行がスコットランドに避暑に出かける夏の間のみ一般公開されるのである。
(しかしこの風習も今後どうなりますことやら)

入場の際、「ロイヤルミューズ(王の厩。馬車等が置いてある。後述)に先に行かないのかい?」と聞かれたけれど、順路的にこっちを先に行かせておくんなせえとお願いした。

入口で日本語オーディオガイドを借りていざ中へ。
一言でいえば、いやはや、豪華でありました。
中は撮影禁止なのでガイドブックの写真でのご紹介なのだが、実に煌びやかで、平凡な感想ながら流石七つの海をモノにした大英帝国よねえと感じ入ったことであった。
重厚というよりは軽やかな雰囲気であったのは(欧州の宮殿に比べたら)築年が新しいことによるのだろう。


Throne Room、つまり王座の間。



絵画の間。
ここで、幼いころの現ウェールズ公チャールズ王大子と妹のアン王女が本を読んでいる写真が飾られていた。
こんなところで育ったこどもはどんな感受性を持つんだろう。


晩餐の間。
ここには綺麗な誕生日ケーキ(勿論フェイクだが)が飾られていた。


白の客間。
金色と白の眩いコントラスト。
箪笥には隠し扉の仕掛けがなされ、王家の皆々様は私室からささっとこの客間にお出ましになることができるらしい。

今回、特別展として「王室のこども達展」なるものが企画されていた。
(タイトルは適当)
歴代の王子や王女のつかったゆりかごやおもちゃ、洋服、洗礼服などが展示されており、あちこちに人垣ができていた。
現女王エリザベスのガールズスカウト時代の制服もあり、暫しヘレン・ミレンの名芝居「ジ・オーディエンス」を思い出したりした。

最後の間(「ロシアの間」とか名づけられていたような。うろ覚え)からは宮殿の庭に出ることができる。
そこにセルフのティールームが設えてあるので、軽いお昼も兼ねて一服することにした。



・サンドイッチ(×2)
・ジュース(×2)
・お茶
・生クリームたっぷりイチゴ
で20ポンド強とはなかなかの宮殿価格である。

しかし、この景色を見ながら頂けるのであれば文句はいえない。



とはいえ、一応事前知識として知ってはいたが、何の飾りっけもない庭ではある。
見渡す限りの緑の芝生、そして木々。
シェーンブルン宮やヴェルサイユ宮、カゼルタ宮の庭園の見事な造形とは比べるべくもない。
所謂イングリッシュ・ガーデンかといえば花一本ないのでそうともいえない。
このシンプルさにはなにかの意味があるのだろうか。
と思い調べてみると、この庭は女王陛下のヘリポートとしての役割も果たしているそうな。
うん、分かったような分からんような。


振り返って宮殿を撮る


左の三角屋根がお茶を飲んだテラスである

自然そのままの庭を巡ると、そのまま外にでることになる。
ここで入場券の裏側にサインしておくと、1年間何度でも再訪することが可能らしい。
丁度1年後にロンドンを訪れる予定は確定しているが、ここにまた来るとは考えにくいな、と思いつつも一応サインをしておいた。

つづきます


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